AIM(エイム)学習セミナー 地域密着30年の信頼小学生から高校生までの受験・補修専門塾

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皆さんは乙武洋匡(おとたけひろただ)さんをご存じだろうと思う。そう、彼が早稲田の学生であったとき出版し、大ベストセラーとなった「五体不満足」の作者である。

この著書は衝撃的なものであった。当時長期入院していた中学生の塾生にこの著書を贈ったことがあったが、その画像のインパクトの強さに思わず贈呈を躊躇したほどであった。

あれから12年の歳月が流れ彼も34歳、2児の父親となっている。乙武氏は学校卒業後スポーツライターの道に進んだ。テレビレポーターとして、オリンピックの取材などで活躍する彼の姿をご覧になった方も多いことだろう。その彼が1005年から教育の世界に転身していた。そのきっかけは新宿区の非常勤職員として「子ども生き方パートナー」に就任したのがきっかけであった。役割上区内の小中学校を巡るうち、本格的に教育の現場に身を置くことを決意した彼は、明星大学通信教育課程に学士入学し教員免許を取得する。

2007年3月、杉並区立第四小学校に任期付き教員として勤務し5年3組を担任することになった。そして3年の任期がすぎ、今年3月学校を辞し現在は作家として教育問題に意見や提言を発信する立場となった。

今年9月、彼の学校での経験を柱に「だいじょうぶ3組」(講談社刊)という小説を発刊した。自らの分身として電動車いすの乗った新任教師赤尾慎之介を主人公として登場させ、体当りで子どもたちにぶつかっていく教師の苦悩や喜びを克明に描いている。

彼のもうひつの著書に「だから、僕は学校へ行く!」がある。これは2007年に講談社から単行本として発刊されたものだ。先の小説の出版に合わせてこの9月に文庫化されているので、お安く入手することができる。これを読むと彼の教育実践の姿や教育観を知ることができる。

体罰の是非、障害者教育、不登校問題、個性重視教育の功罪、ゆとり教育そして本当の学力とは? 幅広い視野で学校教育の現場の問題点や疑問点を提示している。彼が重度の障害者あるという事実を差し引いても、彼の教育の現場での経験に裏打ちされた発信はとても貴重なものと思える。ご興味の向きには両書のご購読をお勧めしたい。 (志厚)

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AIM通信も号数を重ね、当号は記念となる300号である。市販の定期刊行物なら大々的な記念号の発刊となるのだが、こちらはたんなる手づくりの「お知らせ」だから、作成中に「おや3 0 0 号だ!」と気付くていどのことだ。しかしながら、毎月お届けして300回だから、計算上はジャスト25年となる。四半世紀にわたって発行できたこと、つまりはAIMが地域の支援をいただいて存続してきたことに感動を覚える。この間高校進学を機に巣立った生徒も1000名に近い。25年前の卒業生は40歳の親の世代となっている。

手もとにA I M 通信の第1 号が残っている。日付は1986.5.6とある。B5サイズの紙一枚の粗末なものである。内容はというと[お知らせその1 中学生理科・社会科コース募集中] とあり、週1回60分月謝3,000円とある。これまで英数国3教科のみの授業だったのだが、この5月から理社科の指導が始まったのだ。[お知らせその2 夏休み林間学校のお知らせ] 前年度は谷川岳の「湯びそ」で開催し、この年は河口湖で実施するむねの予告である。当時毎年夏休みには、夏期講習を済ませてから林間学校を実施していた。前期の講習に引き続いての合宿で肉体的にはハードであったのだが、その分数々の思い出が残っている。

平成元年2月の31号では新学期クラス編成特集として、指導方針が掲載されている。その一部をご紹介しましょう。(前略)私たちはAIMに集う子供たちに何をなすべきか。当然のことながら学力の向上が挙げられます。一口に学力の向上といっても、小・中・高生それぞれの立場とレベルがあり、各自の目標にあった指導を的確に行いたいと考えます。又、学力の向上は決して押しつけによるものでなく、自ら学ぶことの意義を知り、楽しさが実感できるものでなくてはならないはずです。つまり「自学自習」の精神の育成がその前提としてあるものと考えます。そしてこのことは、新しい時代に生きる子供達が、将来起こりうるさまざまな局面を自らの力で切り拓いていける「問題解決力」を身につけていくことに他なりません。私たちは単に学習指導のみならず、社会性、創造性に富んだ活力ある子供達の育成を指導の根幹としたいと考えています。

 

20年以前の自分の文章を読むのは気恥ずかしい。ずいぶんと背伸びをし肩に力の入った文章だが、時間を経ても塾教育の真理は変わるものではないと再確認できた。ちなみに指導方針文中の「問題解決力」だが、文科省は平成15年の学力向上アクションプランの中で、「課題解決力」を核とした学力向上を目指すとアピールしている。遅すぎないかい、お役所のやることは。(志厚)

AIM通信299号 表紙.jpg  299_2010.pdf

高校生の数学と中3生の国語を担当していた村山達也先生が、8月6日の授業を最後にAIMを辞し、東北大学の准教授として仙台の任地に赴いた。

慶応大学の2年生からの在籍であったので、足かけ14年におよぶAIMでの講師歴である。週に2日程度の指導とは言え、大学の修士、博士課程から大学講師時代まで、常にAIMの講師陣の核となった人物であった。

 

昨年6月、積年の努力が実って日本哲学学界の奨励賞を受賞し、研究者として将来を嘱望された。この3月には慶応大学から博士号を授与されいよいよ一人前。そしてついに、名門東北大学から声がかかり、文学部哲学科准教授職で着任である。。研究者として日の目を見るには、常人ではなしえない努力と辛抱、そして頭脳が不可欠であることを教えられた。

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さて、お盆休みを利用して故郷である愛媛に14年ぶりに帰省した。それも愛犬まで引き連れた一家5人+犬一匹の車での大移動である。走破した距離は2142km、乗り継いだ高速道路は東名高速を起点、終点に往復で十指に余った。高速土日無料が適用されない平日の日程であったのだが、往路最後のどん詰まりの松山・大洲間の高速道路無料化社会実験区間三十数キロのみ、無料化の恩恵に浴したのはお笑い草だ。

8月9日松戸を出発し首都圏を抜け東名高速道路へ、豊田JCTから伊勢湾岸道路に入る。四日市で東名阪自動車道、さらに三重県亀山から新名神高速に乗り草津JCTから名神高速道路に入る。名神高速西宮終点から阪神高速へ乗り継ぎ、初日の目的地神戸に入る。この間六百数十キロ。二日目は名神高速から淡路鳴門自動車道に進み明石大橋を渡る。淡路島を縦断し鳴門大橋を通り徳島から四国上陸。四国高松自動車道から松山自動車道へ、そして往路の終点大洲市にようやく到着。松戸からの走行距離は900キロを超えていた。

紙幅の都合で帰路のレポートは省略するが、先々での名所旧跡や新たな名物などを一気に体験できるこんなロングドライブ、結構たのしめるイベントではある。疲れますけどね。(志厚)

AIM通信298号 表紙.jpg  298_2010.pdf

7月3日には保護者の方々を対象に、引き続いて9日には中3生徒の皆さんに、来春の高校入試の説明会を実施した。保護者向け説明会は例年より2週間遅れの開催だった。それには理由があって、来年の入試制度改編の詳細が見えてくるのが、この時期になるという判断であった。いずれの会も皆さんまことに真剣に話に聞き入っていた。10日には、千葉学習塾協同組合主催の公立高校合同説明会なるものを我孫子で開催した。実行委員としてその場に立ち会ったのだが、会場は600名を超える受験生と保護者であふれた。ことほどさように来年の千葉県公立高校入試の制度変更はインパクトの大きいできごとである。

新入試制度の概要は、これまでの特色化選抜と一般入試二本立ての選抜から、学力検査実行を前提とした2月の前期選抜と3月の後期選抜の二期生に変更するというものだ。

注目すべき点は前期選抜である。まず募集枠だが、普通科で最大60%職業科で80%となる。これまでの特色化より拡大しており、各校とも最大枠での募集になるとみられる。選抜方法は、第一日目がこれまでの一般入試に相当する5科500点満点の学力検査。ここ数年の傾向である難度の高い問題が出題されそうだ。第二日目の検査で各校の特色が現れる。面接、作文、適正検査、自己表現、学校独自問題といったメニューから選択することになる。部活動を重視する高校では、ここで適正検査とか自己表現といった選抜で、部活動おもに運動系だが、その力量を審査対象とすることになる。先の合同説明会で我孫子高校が、部活と学業を分けた選抜を行うと明言していた。これは市立松戸、幕張総合といった従来特色化で部活実績を重く見ていた学校に共通する傾向となろう。

後期選抜は3月2日実施の8日発表であるが、これはこれまでの一般入試より数日遅く設定されている。私立進学確定組に加え、公立志望者も前期で6割以上の進路が内定しているので、後期を受験するのは全体の2割に満たないであろう。中学校のクラスで5、6名程度であろうか。この時点で受験組に残った生徒の心境はいかばかりか。中学の2月の授業に支障がないようにと、公立入試日程を遅らせたのが入試改革の意図だが、受験生には過酷な試練となりそうである。(志厚)

AIM通信297号 表紙.jpg  297_2010.pdf

6月20日は本年度第一回の漢字検定実施日だ。今回は17名が受験予定だが事前の準備は大丈夫だろうか。土曜キャリアアップの漢検講座を受講している方は少ないので、不参加者は自主学習になるのだが果たしていかがであろうか。

さて、漢字検定は一般の成人の方にも興味を持たれている人は多いようだ。先日行きつけの商店の奥さんから、漢検とキャリアアップ講座について質問を受けた。TVのクイズ番組を通じて漢字の面白さを知り、漢検に興味をもたれたそうだ。漢検ゲームソフトの売れ行きも良いようで、DSのソフトはロングセラーだ。そのあたりは漢検協会も敏感で「家族受検表彰制度」なるものに力を入れて広報している。家族で受検し、合格した者全員の名の入った表彰状を贈るというものだ。AIMでも第二回検定ではこの制度をアピールしようかと思う。

先般、常用漢字の追加見直しが発表された。常用漢字とは一般社会において日常的に使われる漢字の目安だが、現行は1981年に告示された1295字である。したがって今回の新たに195字を追加する改定答申は30年ぶりということになる。この30年の漢字をめぐる環境の変化は大きい。第一はパソコンの普及で「漢字変換」が一般的となったことだ。そのため画数の多い「鬱」や「彙」が加わったのはその表れであろう。しかし「鬱」や「彙」がはたして日常の漢字かの疑問は別問題である。それより驚いたのは、大阪の「阪」、埼玉の「埼」、岡山の「岡」、栃木の「栃」、茨城の「茨」、奈良の「奈」、愛媛の「媛」、山梨の「梨」、岐阜の「岐」、鹿児島の「鹿」、熊本の「熊」といった県名の一字が常用漢字に含まれていなかったことだ。今回の追加改定でようやく都道府県名はすべて常用漢字の仲間入りだそうだ。いったいどうゆう基準で制定されたものやら摩か不思議だ。

「使用制限は漢字の生命力を奪う」と立命館大学の加地教授は指摘する。「政府がわざわざ使える漢字を制限する発想が間違っている」とも述べ、「制限などなくとも覚えべきべき漢字は自然と定まるものだ」という。今回の改定で「鷹」が落ちているが、それなら「鳩」も落せばいいとウイットに富んだ発言で新聞批評を締められた。

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5月19日の読売新聞朝刊教育ルネサンスの欄で、当世給食事情のタイトルで松戸市の中学校の給食風景が紹介されていた。市立中学校の選択方式の給食は全国的にみても先端的な取り組みだそうで、記事ではかなり好意的な取り上げ方をしていた。AIMの子供たちの会話の中でも、A,Bメニューの給食の話題がよく聞かれる。給食を楽しみにしている声が実感として届いてはいた。

選択方式の給食が導入されたのは1990年だそうで、95年には市内全校に広がったようだ。導入から20年が経つわけで、そういえば長女が河原塚中学校に通っていた頃、給食導入を巡る署名運動が活発に行われていたことを思い出す。そのおりの市民の願いが20年を経た現在このように評価されているのである。

ところでこのところ「食育」なる言葉を耳にすることが多い。食育という言葉自体は明治時代に造語されたものだそうだが、実感としては平成17年の食育基本法の成立以降であろう。知育・体育・徳育そして食育、学校教育における4つの柱として教育行政の中で大きな位置を占めている。

食事と学力の相関についての発言もよく耳にする。文科省が実施している全国学力・学習状況調査にもこの点が指摘されている。昨年の調査をみると、中学生で毎朝朝食をとる者は82.3%、あまりとらない、まったくとらない者は7.4%である。学力の相関集計では、例えば国語A問題では前者の正答率が79.1、後者が65.0、数学A問題でも前者が65.8、後者は46.8といずれも両者に大きな格差がみられることが確認された。

 ではなぜ朝食が学業に影響するのだろうか。中川八郎医学博士(大阪大名誉教授)はこう指摘する。朝の脳はガス欠状態であり、燃料を補給しないと活動しない。朝食をとらない者の多くは夜型人間で、エンジンがかかるのが午後の時間になっている。要するに朝食をとることで脳に栄養を補給し体温を上昇させ脳内活動を活発にさせるというのである。なるほど、学校での学習時間は基本的には午前中であり、試験等が実施されるのも同様である。入試勉強では夜型の取り組みもありであろうが、入試本番の時期には夜型から朝型へ変え、朝食もしっかりとるなど、生活のリズムを整えることの重要さがこのことからもうかがえる。
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3月27日に今年度初めての試みとして、小学生対象のおもしろ体験教室「さいえんす&かるちゃーClub」を実施しました。
これは一昨年まで過去7年間毎週土曜日に開講していた、学習保育AIMくらぶの経験をいかした企画です。
第一回のサイエンステーマは「静電気の不思議」でした。当日参加した子供たちは定員いっぱいの10名、実験の指導は塾長と佐藤講師が担当しました。佐藤先生は都内の私立中高で、理科実験助手を務める東京理科大の学生講師です。今回の企画にはぴったりの人材です。
まず静電気を蓄電しての感電体験から。勇気のある女の子が皆を代表して実験に参加してくれました。つづいて静電気で水の流れが変わる実験。子供たちは興味津々で目をまん丸にして実験に見入っていました。(P3にその時の写真掲載)そしてお目当ては電気クラゲくらげ作りです。ビニールテープと風船を材料に、空中をふわふわ泳ぐクラゲ作りに挑戦です。先生の指導で思い思いに製作に没頭です。うまく泳ぐもの、いっこうに浮かんでくれないもの、出来具合はそれぞれでしたが興味深いひとときを過ごしました。
 第2部は和枝先生担当のABCレッスンとアルファベットカード作りです。小学生英語指導歴35年の大ベテランの指導で、楽しい英語レッスンになりました。アルファベットカードはAIMの専売特許ともいえる人気アイテムです。アルファベットの印刷された4センチ四方のカードに色付けをし、これをハサミで2分割します。このカードを机に広げ二人一組で、カードを探し集めABCを完成します。
 今回の体験教室は初めての試みとはいえ、長年毎週土曜に実施してきたAIMくらぶ延長戦とおもえば手慣れたものでした。子供たちと触れ合い興味深い体験を共有すること、町の教育機関としての塾にとっては不可欠の活動だと、あたためて実感したものです。次回は5月1日に実施予定です。メインは2005年に松戸で開催した、全国教育ボランティアの会主催の「理科実験教室親子の集」で人気を博した電気で動く不思議なタワシ「タワッチ君」作りです。小学生の皆さんの参加を募ります。(志厚)


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バンクーバー冬季オリンピックも中盤にさしかかった。大会前はこの競技にこの選手にメダルの可能性ありと、あいかわらず期待をもたせる報道ばかりだったが、現実はそう甘くはない。今のところ銀、銅各1個の成果、まあそんなものか。 それにしてもスノーボードハーフパイプ競技の国母選手の制服騒動のうるさいことうるさいこと。それはもう学校の服装検査を見るようだ。、たしかにあの腰パンにドレッドヘアでは目を引くには違いない。渋谷あたりでたむろしているのうてんきんなティーンならまだしも、二十歳を過ぎた大学生でプロ選手であれば、いささか世間の批判があるのもうなずける。しかしあのスタイルがスケボーダーの「制服」ではあるようで、ともに制服にこだわる日本人ならではの騒動ではなかろうか。競技の成績がもう一歩で、世間の批判を跳ね返すには物足りず、彼にとっては残念な結果であったろう。国の恥だと批判された主人公の名が「国母」というのも、もうひとつおまけで笑ってしまった。 オリンピック競技の中でカーリングが気になる。以前はなんと単調でつまらぬゲームだと思っていたが、ルールを知るにつけ面白さがわかってきた。相手のストーンをはじき飛ばしあるいは進路を邪魔しと、いささか意地悪な競技ではある。しかし、ストーンの動きがなにやら物理学的でプレイに戦略性が高くかつシューターとスウイパーの連携プレイもおもしろい。それにシューターをアップする映像に映る彼女たちの「眼力」も魅力的だ。公立高校入試も、特色化選抜の合格内定発表が終りいよいよ終盤である。先の面談のおりにもお伝えしたが、今年の高校入試は公立志向の色合いが強い。公立高校無償化、特色化選抜最終年度、景気低迷とあっては、私立高校の選択は厳しいものがある。18日一般入試の願書が締め切られた。県全体での倍率は、前年度と同じ1.35倍で一見変化がないように見える。ところが、AIM生徒の受験校だけしぼってみると、薬園台、県柏など15校集計で倍率1.52倍となる。県内でも郡部の倍率が低いため全県平均では1.35倍にとどまるが、東葛、市川船橋地区では1.5倍を超えてくるのである。 一般受験生18名を残すAIMにすると、数字上は6人の不合格者がでる計算だが...。そんな悪夢はなんとしても阻止したいものである。

 

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2010年の新年早々、高校入試が始まった。まずは県内私立の前期入試が16日に解禁された。前期入試重視の私立入試だけに、19日までの前期日程で事実上県内私立入試は幕となる。今年は高校(公立)無償化が実施される初年度とあって、私学の先生方の表情も重く苦悩は深い。私学生徒にも補助金が出されるとはいえ、無料の公立と有料の私立の格差はあまりにも大きい。ましてや不況下の2010年入試である。
当塾の受験状況ももっぱら公立志向だ。これまでなら私立志望者が3割はいるのだが、今年は1割に届かない状況だ。そのうえ併願受験をせず公立一本勝負といった受験生も少なくない。一昔前なら考えられぬ事態だ。さらに複数の私立受験を予定している者も、県内の前期受験で合格がでれば、後期入試や都内入試はあえて欠席してしまうのが実情だ。大手進学塾ならば合格実績を残すため、成績上位者に私立複数受験を強制するところであろう。当方にはそのような発想はないので、必然的に受験校が大幅減少である。正直なところ、日頃お付き合いのある私学の先生方には申し訳ない事態だ。
今年は公立高校の特色化選抜最後の年である。来年は2月15・16日に「前期選抜」が5教科共通問題で実施され、ここで定員の約半数に合格内定が出される。「後期選抜」は3月2日の実施だ。この選抜でも5教科の学力検査が課される。このように徹底した学力重視の選抜制度に移行する。そのあまりもの急変ぶりには驚かされる。
学力といえばその定義には百論あるが、先日新聞紙上で興味のある意見を目にしたので紹介させていただく。昭和大学の坂東学長によると、学力には基礎、応用、創造の三つのレベルがあるとのこと。たとえば、単語を知り漢字が書けるのが基礎。漢字を使い文章を書けるのが応用で、小説や詩で表現するのが創造である。早い段階で基礎を作り備えるべきだが、現在の日本は、土台となる基礎学力が危機的な状況だと指摘された。まことに明解な論旨でおおいに共感した。
全体の学力を底上げするには、勉強してよかったと思える仕組みとモチベーションが必要であろう。入試制度改革がはたしてその第一歩になるか、注意深く関わりたいと思う。 (志厚)

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